「もんじゅ」とは 参考資料 
もんじゅ廃炉で脱原発へ舵を切った日本

高速借金危険増殖炉「もんじゅ」
世界一高い原発もんじゅ
もんじゅは減容も増殖もできません
2016年9月もんじゅの廃炉が決定しました。
  もんじゅは出力28万kWの高速増殖炉の原型炉です。1兆2000億円を使い1995年にナトリウム火災事故、2010年に燃料棒落下事故を起こし、動いた日数は20年間で250日、停止中も1日6400万円税金を使い、今後廃炉に30年の年月と3000億円以上のお金が必要です。
 廃炉作業中でもナトリウムが漏れれば水や空気と反応して爆発火災が発生します。放射性ナトリウムの処理技術は未開発で新たな研究開発が必要です。炉心には猛毒のプルトニウムがあり火災から放射能汚染の心配もあります。日本と地球の全生物に大迷惑な原発。それがもんじゅです。
高速増殖炉とは
「運転しながら燃料を増殖させる夢の原子炉」と呼ばれた時期がありましたが、世界でどこも実用化した国はありません、核爆弾と同じ高純度のプルトニウムを空気と触れただけで発火する危険なナトリウム冷却剤で回りを囲んでいるという、核爆発必至型構造をしています。このため米、英、独、仏で過酷事故を何度も起こし、先進国は全て撤退しました。日本も2016年9月廃炉が決定しました。

欧米各国はすでに撤退 日本も2016年に廃炉

 高速増殖炉は日本の長崎に落とした原爆用プルトニウムを製造するためアメリカのマンハッタン計画で使われたのが最初です。世界で初めての原発は高速増殖炉でしたが(1951年アメリカ、EBR-1)。危険で莫大なお金がかかるため先進国では全て閉鎖されました、
 高速増殖炉は借金と危険を増やすだけの悪夢に終わりました。
アメリカ イギリス ドイツ フランス
クリンチリバー PFR SNR-300 スーパーフェニックス
1983年 1988年 1991年 1991年
上院が予算案否決 サッチャー首相が閉鎖 州政府が中止決定
現在遊園地に
トラブル続出
98年に閉鎖
 
参考資料↓「もんじゅ」及び世界の高速増殖炉について
高速増殖炉「もんじゅ」−過去・現在・未来−(原子力安全問題ゼミ第100回講座)
もんじゅと核燃サイクル
 核燃料サイクル政策とは、原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、これを燃料に加工して高速増殖炉で使い、使いながら燃料を増やすというサイクルです。
 核燃サイクルは今までに一度も実現したことはなく、もんじゅは2016年に廃炉が決定し、六カ所再処理工場も使うあてのないプルトニウムを生産するのは不要になり、存在意義がなくなりました。 
 政府はもんじゅの廃炉決定後、高速炉開発を続けると発表していますが、「増殖」という言葉が抜け落ち、使えば使うほど燃料が増えるという核燃サイクルは完全に破綻しました。
 現在、日本には48トンもの使い道のないプルトニウムが溜まり、原爆を6000発製造できるため、世界中から日本の核武装を批判されています。そのため日本政府はプルトニウムを消費して減らす必要に迫られ、ウラン燃料の10倍以上の価格のMOX燃料を無理矢理、普通の原発で使ってプルトニウムを減らそうとしています。しかし福島事故以後、日本の原発はほとんど動かずプルトニウムの総量は減っていません。減らそうと努力しているプルトニウムをこれ以上増やすのは論理矛盾があり、プルトニウムを生産する再処理は百害あって一理もありません。

 核燃サイクルはすでに破綻していて、政府は核燃サイクル計画を維持すると熱心に語っていますが維持するような「サイクル」は現実に存在しません。すべて幻であり、実態のない計画です。これ以上原子力ムラが語るウソの計画に税金を使わず、現実を直視し、核のゴミの最終処分計画を真剣に考え、未来の世代に負担を残すべきではありません。
プルトニウムを減らすための苦肉のMOX燃料
 MOXとはウラン燃料にプルトニウムを10%ほど混ぜて使うことです。燃料の節約度はわずかで逆に製造原価が15倍ほど高くなり、ビジネス的には全く使い物にならない燃料です。日本政府は核武装疑惑を払拭するためプルトニウムを減らす必要があり、無理にMOX燃料を作り、通常原発で使おうとしています。通常の軽水炉原発はウラン燃料用に設計され、プルトニウム燃料を使うと暴走、破壊の危険があります。MOXのような偽サイクルで事故確率を増大し経済的損失を増やすより、失敗を認め、さっさと原発と核燃料サイクル全てをあきらめましょう。

 MOXで無理に減らさなければ困るようなプルトニウムを増やす理由はありません。六カ所再処理工場はただちに閉鎖し、核燃料サイクルというすでに破綻した幻想を捨て、現実を直視し、ワンススルーへ転換するしか日本が存続する道はありません。
 もし電気がMOX燃料だけで発電されるなら、電気代価格は現在の15倍高くなります。1kw=500円! こんなバカなことやめませんか?
 原発をやめれば電気はもっと安くなります。
税金の無駄遣い
 高速増殖炉開発には1兆円以上の税金が投入されてきました、また核燃サイクルが今まで使った税金は3兆円、フクシマ原発事故処理で10兆円、除染処理10兆円、100万年の核廃棄物管理にいくらかかるのか誰も計算さえできません。1000兆円の借金で日本国の破産が秒読みに入っている時代に、これ以上、利益なく害しかない「もんじゅ」に使う金は1円もありません。
 消費税を増税する前に核燃サイクルを捨て、世界一高い原発と決別すべきです。日本人は原子力ムラと心中する必要はありません。
当初見積額 最終評価額 増加比率
アメリカ[クリンチリバー] 約4億ドル(1972年) 約31億〜88億ドル(1982年) 8倍〜22倍
イギリス[PFR] 約2900万ポンド(1966年) 約4450万ポンド(1974年) 1.5倍
ドイツ[SNR-300] 約6.7億マルク(1969年) 約67億マルク(1982年) 10倍
フランス[スーパーフェニックス] 約18〜20億フラン(1972年) 約344億フラン(1994年) 17倍〜19倍
日 本[もんじゅ] 約360億円(1972年) 約5886億円(1994年) 16倍